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『世界に羽ばたく事業体へ』代表取締役会長 加納昌武

加納昌武
加納昌武

仕事をしていく上で、加納社長が普段から大切にしていることを教えて下さい。
※ このインタビューは、2013年6月(社長時)に取材したものです。

「想いは実現する」ということを常に考えながら仕事をしています。ひと言で「想い」と言っても、浅い「想い」では、やはり実現はしない。大切なのは信念と化した「想い」。目を閉じると、いつでも同じ映像が脳裏に浮かぶくらいの「想い」や「信念」は実現する、というのが私の拠り所ですね。この40年、それでやってきました。どうもこの世の中、あるいは宇宙というものは、そういう風にできている、ということを日々感じています。

スイレイを創業した当時の想い出は?

27歳で独立した時は、それこそお金を儲けることこそが企業経営の全てだ、と思ってスタートしました(笑) ですがもちろん、実際に会社を立ち上げてみると、それだけでは駄目なんだと気づかされることが沢山あり、様々な失敗も沢山経験しました。創業から十年経った頃には、会社の存亡に関わるような、本当に重大な出来事まで起こったこともありました。そういう苦しい時期に、「そもそも自分は何のために事業を興したのか」ということを考えはじめて、その頃に中村天風氏の『成功の実現』という書籍に出会ったんですね。大きな問題にぶつかった時こそ、それは人間修行なのであると。やはり自分の人生観をしっかり持てないと、会社の経営というものはやっていけないものであると気がつきました。そういう自覚が自分自身に出てきた時、事業への取り組み方も変わってきましたね。30代後半くらいの頃でした。

中村天風、彼の良さを一言で言うと?

加納昌武

彼は思想家というよりも実務者。ですから、こんな簡単なことを会得すると誰でも成功できてしまうよ、ということを自らが実体験したことに基づいて私たちに述べてくれるので、とても素直に言葉が自分の中に入って来る。ある時期、それこそまるで信者みたいになりまして(笑) 彼の本は何度も読み漁りました。それが私の人間としての強いバックボーンを作ってくれましたし、今でも事業に対しての考え方に大きく影響しているかもしれません。
よく若い社員たちとも話すんですが、一年二年といった短いスパンで世の中を見ると、そこには山や谷が沢山あるんだけども、もう少し長いスパン、十年や二十年で考えると必ず上向きの成長と発展をしているものなんだと。だから目の前にある小さな山や谷に、いちいち落ち込む必要はないんだよ、と。ネガティブになる必要は何もない。もし今、苦しい場所にいたとしても、この先に必ず良くなって報われる時が来るんだと。そういうポジティブな考え方がとても大事だと思いますね。

若い世代の社員と仕事をしていて、感じることはどんなことですか?

加納昌武

かなり優秀だと思いますね、今の若い人は。礼儀作法などに関してはまだまだな人も、もちろんいるんだけれども、僕らの若い頃と比較すると本当に物怖じしないし優秀です。だから仕事の現場では、指導者がどういう風に環境を整え、若い世代が持っている良い素質を伸ばしていけるのかっていうことをいつも考えています。
とにかく一回しかない人生ですからね、お互いに。人にとってどう有意義な人生が過ごせるかというのは、誰にとってもすごく大事なこと。その中には、どういう仕事をやるか。それをどういう仲間とやるか。そして自分がやっている仕事が世の中や社会とどう関わり合っているのか。そういった総合的な組み合わせで、人っていうのはトータルな幸せを感じることが出来るんだと思うんです。
だから自分は経営者として、少なくとも我が社に勤めていることで、ある程度人生への安心感を持ってもらいつつ、だからといって決してぬるま湯にならない刺激と緊張感もある、という社員皆が生き生きと生きていける環境を作っていきたいと思っていますね。

これから社会にでる学生に期待すること、アドバイスは?

いかに「大きな志」を持っているか、ということがすごく大事だと思いますね。
オギャアとこの世に生まれてきて、70、80年という限られた時間をこの世で過ごし、あちらの世界に去って行く、そんな人間の人生なんて、宇宙の無限大の時間の前では、瞬きにも満たないナノレベルの話です。そういう中で、悔いのない生き生きとした人生を「どう生ききってしまうか」を考えると、そこで大事なのは自分自身のマインドをどう強く持つか、それがもの凄く重要だと思うんですね。それこそが「志」です。若くして「志」を持つことができている人、というのは、それだけでかなり大きな幸せを内包していると思うわけです。

企業として、世の中との関わり方は、どのようにあるべきだとお考えですか?

加納昌武

私たちがやっているのは環境を扱う仕事ということで、モチベーションを高めやすい、という側面はありますね。名刺にも「水と環境のあらゆる問題に取り組む」と書かせてもらっているんですけど、スイレイが標榜しているのは、水を通して地球の環境問題に貢献して行く、という非常に分かりやすいビジョンです。
水資源というのは、今後、貴重であるということを超え、地域によってはオイルに変わって争奪戦になってしまいかねないという危惧も抱いております。そういった社会状況の中で水資源の問題と真正面から取り組んでいくということは、非常にやりがいのある仕事だと思っています。
まず、汚れた水を綺麗にするというところからスタートしたスイレイの仕事ですが、最近では、一度、生産ラインで使った水を再利用する「リサイクルシステム」、工場より排水を出さず、公害を一切起こさない「クローズドシステム」を提供出来るところまで、技術水準を上げることが出来ました。そういう意味では、企業としてどう世の中と関わっているか、ストレートに分かっていただきやすいのではと考えています。

スイレイの未来について、教えてください。

事業の中核である「水」を扱うということは変わりませんが、これからは世界に羽ばたいて行けるような事業体へ成長して行きたいという想いがあります。国内で仕事をしてきたこれまでは、まずは水処理技術に長けているエンジニアタイプの人材を重視してきました。ですが今後、地球規模で企業活動をしていくとなると、もう少し違った視野を持った人たちにもスイレイに参加してもらわなければならないですね。語学もそうですし、国が変われば法律も税制も変わりますから、国際的な法務や税務関係にも明るい人が必要になってくるでしょう。
昨今、メキシコやインドネシアで仕事をしていて思うのは、この地球はまだまだ広いということ。そういう次の世代の人たちとともに、広い世界を相手にして、我々スイレイの水処理技術を広めていけたら良いですね。