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  • インタビュー 加納壮浩

出勤した初日のこと、記憶にありますか?

自分では平然を装っていたつもりだったんですけど、実は頭の中は真っ白でしたね(笑)
そこからのスイレイでの日々は、とにかくまずは「水処理」そのものを根本から理解しなければならないと、あらゆる資料や本を読み漁りました。と言っても難し過ぎて・・・。とにかく諸先輩の方々に様々な現場に連れて行っていただいて、実際のプラントで水処理プロセスを具体的に勉強しつつ、あとは営業の方面でもお客さんとの接点を一から作らせていただいて・・・。と、そんな風に夢中に過ぎていく毎日でした。

加納壮浩

その頃のことで、忘れられないエピソードはありますか?

これは、ある地方のお客様との話なんですけれども。もともとスイレイの設備を入れていただいたにもかかわらず、改良工事などを重ねた他社に設備運営をとられてしまっただけでなく、保守点検業務すら切られてしまって、すっかり疎遠になっていたお客様がいらっしゃったんです。そこである時、うちの担当者と一緒にご挨拶にうかがったのですが、取りつく暇もなく門前払いのような状況だったんです。でも、どうしても僕にはその事態が飲み込めなかったので、しばらくしてからもう一度、今度はひとりでそのお客様を訪ねさせていただいたんです。
その時、当時の自分の状況なども赤裸々に本音でお話しさせていただいて、どうしてこのような事態になってしまったのかをお尋ねしました。
そうしたら、ある時うちの保守点検業務を行っていた担当者が、良かれと思って色々な不具合を起こしうる箇所を修繕してしまったことがあったことを打ち明けてくださいました。なんの報告もなく、なんの相談もなく、そして後から請求書だけが勝手に届いた、と。これが理由で、うちとの関係が切れてしまったことが判ったんです。
これは明らかに弊社の過失であったと心から謝罪をさせていただいた上で、こうしてお客様に指導していただきながらこのスイレイを改善していきたい、なんとかもう一回だけチャンスをいただけないでしょうか、と誠心誠意お願いをさせていただきました。そこで、もう一度保守点検業務のお仕事をいただけたわけなんです。
今でも、お付き合いは続けさせていただいているんですけれども、この時初めて自分の仕事が出来た、そんな実感が得られました。
それまでの僕は、無意識に「失敗は許されない」というプレッシャーを感じていたのかもしれません。それこそが、僕が自分を二世として意識してしまっていた部分だったのかもしれませんね。無意識の意識といいますか。
でもこの時、たとえそれが失敗であったとしても、自分の気持ちを素直に表現してお客様と対話させていただければ、必ずや伝わるんだということを学ばせていただいたんです。仕事の上であっても、それはやはり人と人とのお付き合いなので、その誠意こそが大事なんだなと。すごく大切な経験でした。これは、僕のスイレイにおける仕事の仕方のベースとなっている出来事といえるかもしれません。

この仕事をするようになって「水」に対する考え方は変わりましたか?

そうですね、「水資源」というものを、生活の中で常に意識するようになりましたね。
日本は島国ということもあって、水不足そのもので苦しむことは、他の国に比べるとそれほど深刻ではないんです。
ですが世界に目を向けると、様々な「水問題」というものが顕在化してきているんです。UNESCOのデータでは、2025年には人口も水需要も1.4倍~1.6倍以上にもなることが予測されていて、それこそ「水」を巡る国家同士の争い、なんていう事態にも陥りかねない現実があるんです。こういうことには常に目を向けて意識し、考えていかなければいけない事だと思いますね。

加納壮浩

これから先、スイレイの未来をどのように思い描いていますか?

スイレイはこれまで、「少数精鋭」ということを掲げてやってきたのですが、やはりそこは変えたくないんです。
まず、縁あってこの会社に入社されたスタッフの皆さん、その家族の方々にはみんな幸せであって欲しいと思うんですよ。
この会社を色々と変革し、成長させていきたいところは沢山あるんですが、それをスタッフの皆さんと共にできるのか、ということがとても大事だと思っています。それでいて、皆が常にやりがいを感じて仕事ができる組織形態を作りたい、ということですね。
あとは、スイレイを海外へと羽ばたく水処理メーカーに、という願いは強いです。すでに今でも海外展開は行っているんですけれども、もっともっと幅を広げていきたい。これは是非ともチャレンジしたいことですね。
さらには、スイレイの持っている水処理の技術ノウハウを盛り込んだ一般家庭向けのサービスというのも考えていきたいです。
例えば、ある家庭で使った生活用水をリサイクルし、同家庭で再利用できるような家庭内循環水のシステムを構築していくとか。そういった、全く新しいことにも取り組んでいきたいです。実は、アムステルダムなどには、アパートメント内で使用した排水をそのアパートメント内で処理して再利用する、という施設もすでに存在していて運営もされているので、世界のそういった場所にも積極的に視察などに出向いて行きたいと思っています。

加納壮浩