凝集沈澱槽を経て沈降させたフロックは、金属汚泥と呼ばれますが、この汚泥は人体には有害でも、産業界の中では価値のある物質『リサイクル可能な有価金属』でもあります。
フィルタープレスは、重金属汚泥から水分を抜き、体積を大幅に低減します。汚泥の平均含水率は99%。フィルタープレスを使用すれば、75%前後まで引き下げられるため、弊社では様々な種類の汚泥の性質を分析し、フィルターの材質や織り方によって含水率が変わる濾布を選定。プレスにまつわる細かな調整を行うことで、排水に含まれる重金属を効率的に脱水します。排水の種類に応じて、ニッケルや銅などの有価金属を単独脱水する、分水処理型の脱水システムも、産廃コスト削減策として有効です。
産業廃棄物は通常、重量に応じて引き取り価格が決まるため、含水率の低減はコストに直結します。実際に、フィルタープレスを組み込んだ水処理設備を納入したメッキ加工系の工場では、汚泥の処理費用が半減しました。
完全循環型のリサイクリング・システムに欠かせない乾燥機であるCDドライヤーを選定し、粉末状まで乾燥します。プレスではなく、熱処理を施すため、含水率を30%前後まで引き下げることが可能になりました。(*CDドライヤーは西村鐵工所の商品です。)
弊社は最大限の脱水効率を目標に、水処理システム全体の中での「脱水システム」の位置づけ、機器の『親和力』を高める研究に日々、取り組んでいます。